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2009年12月06日日曜日

山崎正和さんの言葉

 「時代の次を見ている人は幸せであるが、次の次を見ている人は、光栄ある、しかし苦難多き晩年を送るほかはない」と。
 塚本哲也著『メッテルニヒ』についての山崎正和さんの書評に出てきた言葉です(12月6日付け毎日新聞)
 19世紀初頭の欧州を二つに分け、ナポレオンと軍事と外交で死闘を繰り広げたメッテルニヒの前半生と、やがて失脚して英国に亡命し、三度の結婚で得た妻と子供たちを失いながらも優雅な社交性を失わない晩年が描かれていると本の内容を紹介。そこにみずから高齢を迎えた著者の同時代人に向けた密(ひそ)かで毅然たる訴えが聞こえるようだと。高次元の共鳴音の一端を見せていただいたような気がしました。

wrote by m-hamada : 2009年12月06日 20:22