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2010年03月26日金曜日

京都大学名誉教授・市村真一さんの主張より

 「良き宰相には、持つべき素質と要件がある。管見(細い管(くだ)を通して見る意。(ⅰ)狭い見識。視野の狭い考え方。(ⅱ)自分の知識・見解・意見をへりくだっていう語の意味)の及ぶところ、歴史家トインビーが示した4条件が見事である。
 ①勇気と国民を奮い立たせる能力がある
 ②私的偏見がない
 ③他人の考えや気持ちを敏感にとらえる直感力を持つ
 ④あくまで確実で限られた目標を追求する
 トインビーは①の例に、アタチュルク(トルコ共和国を創設)、チャーチル、ガンジー、ホーチミンを、②でトルーマンを挙げ、④を論じて言う。『同じ革命家の中でも、(ロシア革命の)トロツキーは幻想家として失敗し、レーニンとスターリンは現実主義者として成功した』と。」
 3月26日付の産経新聞『正論』に掲載された市村名誉教授の論文「希望的観測では首相は務まらぬ」の一部です。
 市村名誉教授は、このあと鳩山首相について、「この名言の4条件を著しく満たさないが、致命的なのは特に④の条件である」と述べておられます。
 現実的でなければならないことを、歴史家トインビーの言葉を引かれて、説得力のある言い方で主張されているところに、静かに燃える情熱のようなものを感じ、強く印象に残りました。

wrote by m-hamada : 2010年03月26日 23:58