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2010年03月23日火曜日

福澤諭吉の言葉

 「政治というのは悪さ加減の選択だ」

 大学卒業25年の節目に出席した慶応義塾大学の卒業式で、いただいた『三田評論』3月号に掲載されていた橋本五郎さんの論文「ジャーナリストの羅針盤」の中でみつけました。
 『福澤諭吉全集』の第14巻に収められている、「時事新報」の論説「政府の更迭自ら利益なきに非ず」の中にある言葉のようです。

 原文を詳しく書くと、「万能の善政府は遂に見る可らず。是に於てか本来政府の性は善ならずして、注意す可きは只その悪さ加減の如何に在るの事実を、始めて発明することならん」。

 橋本五郎さんは、「政権が代わった。でもなかなかいい政権ができやしない。これをどう考えたらいいか。性善説に立って、あんまりこの政府ができれば大変いいことがあると、思ってはいかんぞ、と言っているんですね。『注意す可きは只その悪さ加減の如何に在る』」と、述べられています。

 今の政治状況を冷静にみつめ見事に言い当てている言葉であり、しかも、『三田評論』への掲載ということで福澤諭吉の言葉の中からそのことを提示してみせるとは、相当の知識量であり、博識でいらっしゃるなあと感動しました。

 

wrote by m-hamada : 2010年03月23日 19:04