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2010年04月17日土曜日

作家・渡辺淳一さんの言葉

 「高度成長やバブル経済が日本の男時(おどき、上り調子を意味する能の言葉)だったとすれば、派手さよりも熟成に向かう、そして女性が力をつけてきた現代は、女時(めどき、同じく能の言葉で頑張ってもうまく行かないときのこと)なのかもしれません。女時には、これまで『ダメ男』と決めつけられていたタイプも『心地いい男』と評価される。反対に『無口で強そうな男』は『面白みのない男』に成り下がる。女の感性が中心を占める時代に合わせ、切り替えられる対応力が幸せを呼ぶ。男は男らしくなれなんて、疲れる。男は本当は女なんだから。一般的にいわれている『女らしさ』は男の正体であり、『男らしさ』こそが女の正体。だから、男の子は『男らしく』、女の子は『女らしく』、それぞれ矯正されてきた。年を取るにつれて女性の方が性格が強くなるのは、もともと強かった性格がむきだしになるから」
 4月17日付け東京新聞夕刊の文化欄に、顔写真入りで大きく掲載されていた渡辺淳一さんの特集紙面の中の言葉です。
 時代の流れを鋭く分析しているようで、説得力があり面白いと思いました。
 3月3日に『幸せ上手』(講談社)という本を出版。「日本中が暗い、暗いって、言いますが、いっぱい幸せはあるんだよ」と語られたとあり、前向きで素晴らしいことだなとも感じました。

wrote by m-hamada : 2010年04月17日 14:34