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2010年04月22日木曜日

作家・藤本義一(ふじもと・ぎいち)さんの言葉

 「表現には、事実と虚構とウソがある。久しぶりに出会った友人の顔色が悪かったときに『顔色悪いけど、どうした?』と言うのは事実を言っているけれど、相手のことは考えていない。そんなこと言われたら嫌でしょ? 反対に、本人に何も言わず知らん顔するようなのは人間関係としてウソやね。虚構はその真ん中。顔色が悪いのは心配やけど、そのまんまを指摘しない。そんなときには自分の顔色見せて『おれ、顔色どう?』と言えば、相手は『どうしたんや?』となる。『最近なあ……』とこっちが打ち明けると、相手は『血圧どうや?』と聞いてくる。相手が不調なのは血圧なんですよ。真実を教えてくれる。これって幸せを呼んでいるんじゃないかなあ。相手を傷つけることなく、相手に喜びや安心を与える。表現というのは、これが大事だと思います。」
 4月21日付け毎日新聞夕刊の『新・幸福論』にて紹介されている藤本義一さんの言葉です。
 へーっと声をあげて驚いてしまいました。「頭の良さには100種類ぐらいある」と先輩に言われたことがありますが、これも頭の良さのひとつの形だと思いました。人生経験の豊かさと人間関係についての深い探求の跡が感じられるようで、良い言葉に出会えたことが嬉しくなりました。

wrote by m-hamada : 2010年04月22日 13:29