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2010年04月13日火曜日

石川啄木の歌集『一握の砂』の出版から100年

 1910年の出版から100年目に当たり、日経新聞(3月3日付け夕刊)と産経新聞(4月13日付)にいくつかの歌が紹介されていました。

 はたらけど
 はたらけど猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざり
 ぢつと手を見る

 友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
 花を買い来て
 妻としたしむ

 一度でも我に頭を下げさせし
 人みな死ねと
 いのりてしこと

 公園の隅のベンチに
 二度ばかり見かけし男
 このごろ見えず

 いらだてる心よ汝(なれ)はかなしかり
 いざいざ
 すこしあくび(口偏に去、口偏に申、の2文字で)などせむ


 人生の真実を歌っているから100年後の今にも通じるのか、物質的な豊かさと精神的な豊かさが違うから今にも通じるのか、不思議な力を感じます。心に刻んで、よくよく味わいたいと思います。
 

wrote by m-hamada : 2010年04月13日 15:27