« 月刊誌『世界』8月号掲載論文の言葉 | メイン | 内科医で『神様のカルテ』の著者、夏川草介(なつかわ・そうすけ)さんの言葉 »

2010年08月06日金曜日

聖徳太子の「十七条の憲法」の第一条

 「一に曰(い)わく、和を以(も)って貴(とうと)しとなし、忤(さから)うこと無きを宗(むね)とせよ。人みな党あり、また達(さと)れるもの少なし。ここをもって、あるいは君父(くんぷ)に順(したが)わず、また隣里(りんり)に違(たが)う。しかれども、上(かみ)和(やわら)ぎ下(しも)睦(むつ)びて、事を論(あげつら)うに諧(かな)うときは、すなわち事理おのずから通ず。何事か成らざらん。」
 <(現代語訳)一にいう。和をなによりも大切なものとし、いさかいをおこさぬことを根本としなさい。人はグループをつくりたがり、悟りきった人格者は少ない。それだから、君主や父親のいうことにしたがわなかったり、近隣の人たちともうまくいかない。しかし上の者も下の者も協調・親睦(しんぼく)の気持ちをもって論議するなら、おのずからものごとの道理にかない、どんなことも成就(じょうじゅ)するものだ。>
 盆踊り大会で顔を合わせた方と最近の社会情勢についてお話をしている中で、「聖徳太子の『十七条の憲法』の第一条は『和を以(も)って貴(とうと)しとなし』で始まるけど、そのあとに続く言葉はわかりますか?」と聞かれ、ウーンと考え込んでしまいました。「『忤(さから)うこと無きを宗(むね)とせよ(いさかいをおこさぬことを根本としなさい)』ですよ。諍(いさか)いのない社会にしないとね」と言われ、その記憶力、知識に驚きつつ、深く納得された言葉なのだろうなと感じました。
 言うべきことはキチンと言うという毅然とした空気を保ちながらも、社会の一体性、温かい調和のある世の中であってほしいものと思いました。

wrote by m-hamada : 2010年08月06日 16:59