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2010年09月05日日曜日

小泉今日子さんの書評の言葉

 「咲き乱れる梅の花を生まれて初めて前にして『この世に、こんなきれいなものがあるんですね……』と涙を流すほど感動しているまだ幼い丁稚(でっち)の新太に、『小僧さん、きれいなものは、この世にこそいっぱいあるんですよ。とりわけ、あんたみたいな子供にとってはね』と、さして物語に関係のない梅勝さんが言った言葉がなぜかとっても心に残った。本を読み終わった後、私は子供の頃に見たきれいなものを思い浮かべてみた。満月の光、夕焼けの空、菜の花畑、冬の田んぼにいた白鷺(しらさぎ)、他にもたくさんの美しい景色が頭の中に溢れた。この世にあるのはきれいなものだけじゃない。大人になった私はそれを知っているから、記憶の中の美しく懐かしい景色にほっと心が安らいだ。」
 9月5日付の読売新聞・書評欄に載っていた、小泉今日子さんの宮部みゆき著『あんじゅう 三島屋変調百物語事続(ことのつづき)』についての言葉です。
 こういう所が心に留まるということに感動し、子供の心や教育ということに関心があるのだろうかと想像し、好ましいことと思いました。
 川崎の子供たちもきれいなものをたくさん見て、記憶の中に印象深く残ってほしいものと、そういう教育環境を整えたいと思いました。

wrote by m-hamada : 2010年09月05日 17:12