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2014年06月11日水曜日

複式簿記の導入で公会計を改革しよう(代表質問)

 6月11日、川崎市議会本会議において、多摩区選出の河野ゆかり議員が、公明党の代表質問に立ち、20を超えるテーマについて質問しました。
 その中の公会計制度について報告します。


 財政改革を進めよう!

 総務省の「今後の新地方公会計の推進に関する研究会」は、4月30日に報告書をまとめ、複式簿記を前提とした財務書類作成の新基準を示すとともに、平成27年1月ごろまでに具体的マニュアルをつくり、新基準による財務書類を平成28年度から作成するよう全地方自治体に要請するとしました。新基準は、川崎市が採用している基準モデルにかなり近いものですが、有形固定資産の評価基準に違いが見られることから、本市への影響について質問しました。
 また、本市は平成23年度決算から基準モデルを採用しており、本市以外に5つの政令市も基準モデルを採用しています。基準モデルによる経年変化及び他都市との比較という観点から、本市財政をどのように分析しているのか伺いました。
 関連して、地方公営企業法について、総務省は3月に、地方公営企業法の適用に関する研究会報告書案を発表し、適用範囲の拡大を検討していることを示したことから、本市ヘの影響について質問しました。
 さらに、本市は、地方公営企業法で「財務規定等のみの適用」とされている病院事業を「全部適用」としており、さらに、「非適用」とされている公共下水道事業も「全部適用」としています。ゴルフ場事業については、地方公営企業法で「非適用」とされていますが、法適用を検討すべきと考えることから、見解を伺いました。

 財政局長は、公会計制度について、「本市では、平成10年度決算から企業会計的手法による財務書類を作成し、平成20年度決算からは総務省方式改訂モデル、平成23年度決算からは、より実態に即した財務状況を把握するため、基準モデルによる財務書類を作成、公表しているところでございます。平成26年4月30日に示されました新しい基準については、既に基準モデルを導入している本市における影響は、改訂モデルを採用している自治体と比較して大きくないものと考えておりますが、事業用資産の土地に関する計上方法について、基準モデルでは固定資産税評価額であるものが、取得原価が判明しているものは取得原価、判明していないものは再調達価格になるなどの変更が見込まれますので、今後、的確に対応してまいりたいと存じます。」と答弁。
 次に、基準モデルによる財政分析について、「平成24年度決算と平成23年度決算との比較では、貸借対照表において、中原図書館の取得などにより資産、負債とも微増となっておりますが、純資産の割合はほぼ同水準を維持しております。また、行政コスト計算書においては、人にかかるコストは減少しておりますが、社会保障関係費等の影響により、行政コスト全体では増加しているところでございます。平成24年度決算において、基準モデルを採用している政令市は、本市以外では、新潟、千葉、浜松、堺、広島の5市がございます。都市により対象としている会計の範囲が異なりますが、これらの5市と市民1人当たりの数字を比較いたしますと、貸借対照表では、資産に占める純資産の割合が5市平均を上回っており、行政コスト計算書では、経常費用が5市平均を下回っている状況でございます。現段階では、各政令市で採用しているモデルが異なっておりますが、統一された基準で財務書類を継続して作成することによりまして、他都市との比較による分析や経年変化による分析が可能となってまいりますので、今後も国の動向を注視しながら、財務状況の的確な把握に向けてしっかりと対応してまいります。」と答えました。
 また、地方公営企業法の適用については、「本年3月、地方公営企業法の適用に関する研究会報告書において、人口減少、資産の老朽化に伴う更新需要等の高まり、情報公開の要請などの環境変化を踏まえ、地方公営企業法の適用範囲を拡大すべきとの考え方が総務省から示されたところでございます。現在、本市では、経営状況を踏まえた的確な経営改善や経営の自由度向上による経営効率化などを推進する観点から、水道事業会計、自動車運送事業会計などの5会計で、地方公営企業法の全部適用を行っているところでございます。特別会計等の経営健全化につきましては、これまでも事業の委託化等による執行体制の見直し、債権確保策の強化、指定管理者制度の積極的な導入など、さまざまな取り組みを進めてきたところでございますが、経営健全化のための手法の一つである地方公営企業法の適用も含めて、国の動向を注視するとともに、他都市の事例を研究しながら検討してまいりたいと存じます。」と答弁しました。

 続いて、建設緑政局長は、ゴルフ場事業への地方公営企業法の適用について、「生田緑地ゴルフ場事業特別会計につきましては、指定管理者からの納付金などの歳入を財源として、ゴルフ場の施設の整備のほか、生田緑地の維持管理費に充当するため一般会計に繰出金を支出しているところでございます。なお、指定管理者制度につきましては、効率的な管理運営と魅力の向上に向けた取り組みとして、平成25年度から導入したものでございます。生田緑地ゴルフ場事業特別会計への地方公営企業法の適用につきましては、他都市の事例を研究しながら検討してまいりたいと存じます。」と答弁しました。
 

 

wrote by m-hamada : 2014年06月11日 21:51