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2014年09月06日土曜日

野球解説者・桑田真澄さんの言葉

 「『練習量と練習時間と気合と根性』という野球界のゆがんだ伝統が根深いのだと思います。僕の修士論文でも取り上げましたが、日本の野球指導に強い影響を与えているのは、1919年に早稲田大野球部の初代監督に就任し『千本ノック』『一球入魂』などの言葉で有名な飛田穂洲(とびた すいしゅう)の『野球道』です」。

 元巨人軍ピッチャーで、現在は野球解説者として、また、東大野球部の特別コーチとして活躍中の桑田真澄さんの言葉です。
 9月6日づけ朝日新聞の「東大野球部を教える」とのインタビュー記事の中で紹介されていました。

 ※飛田穂洲(とびた すいしゅう、1886年(明治19年)12月1日~1965年(昭和40年)1月26日)さんは、茨城県出身の野球選手(内野手)であり、学生野球指導者、野球評論家。本名は飛田 忠順(とびた ただより、とびた ちゅうじゅん)。(ウィキペディアより)

 飛田穂洲さんについて、桑田真澄さんは、
「飛田が練習量を重視したのは事実ですが、『千本ノックといっても選手の体格健康その他に細心の注意を払わなくてはならぬから、100本にまで減少しなければならぬ場合もある』と書き残しています。また、米国遠征の経験を生かし、最先端の合理的な指導をしていた。上級生が下級生に雑用をさせることも嫌い、『自分のことは自分でやりなさい』というのが口癖でした」
とも述べられています。

 飛田穂洲さんがバランス感覚を持った指導者であったことはわかりますが、戦後は「多くの軍隊経験者が復員後、全国で野球の指導者や審判になったこと」で、「軍隊式の指導法が野球に取り込まれ、上下関係や精神論、体罰肯定が根付いてしまった。かつての常識だった『練習中に水を飲むな!』という指導も、軍隊式の表れです」と桑田真澄さんが指摘するように、飛田穂洲さんが監督として実践した「合理的な野球道」ではなく、「誤解された野球道」が広まってしまったのだとわかり、興味深いと思いました。

 桑田真澄さんにはますます活躍していただき、「スポーツ医科学に基づく合理的な指導法」と「選択と集中型の練習」で、日本の野球界を大いに盛り上げてほしいと思いました。

 
 

wrote by m-hamada : 2014年09月06日 21:01