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2014年09月10日水曜日

高齢者への就労支援を強化しよう!(代表質問)

 9月10日、川崎市議会本会議において、中原区選出の1期生の川島まさひろ議員が、公明党の代表質問に立ち、20を超えるテーマについて質問しました。
 その中のマイナンバー制度と高齢者への就労支援、高齢者が被害にあう詐欺への対策について報告します。

 マイナンバー制度について市民広報の充実を!

 マイナンバー制度について、平成27年10月から、国民一人一人に12桁のマイナンバー、すなわち個人番号が通知され、翌平成28年1月から利用が開始されることになっています。
 そこで、具体的にどう利活用していくのか、また、本市の制度導入に向けたスケジュールと進捗状況について質問しました。
 また、今後、大幅なシステムの改修が必要となることから、今年度は、改修のための予算として3億円余を確保しているとのことですが、来年度は、どの程度の経費を見込んでいるのかについて聞きました。
 さらに、膨大な個人情報が、システムにかかわった子会社のシステムエンジニアによって持ち出された事件が大きな社会問題となっていることから、個人情報保護及びセキュリティについてどのように考えているのかを問いただしました。
 1年後には本制度が始まりますが、市民への周知が進んでいない状況であることから、広報への取り組みについても質問しました。

 答弁として、総務局長は、「初めに、マイナンバー制度の利活用についてでございますが、マイナンバー制度は、国民の利便性の向上、行政運営の効率化、給付と負担の公平性の確保などを目的に導入されるものでございまして、本市におきましても、各種申請時の添付書類が減ることによる市民の負担軽減や、他都市や国の機関等との情報連携による行政事務の効率化を目指し、積極的に活用を進めてまいりたいと存じます」と答弁しました。
 また、制度導入に向けたスケジュールと進捗状況については、「平成28年1月のマイナンバー利用の開始や、平成29年7月の他自治体との情報連携開始時の安定的な制度運用に向け、関係システムの改修や個人番号カードの普及に向けた検討、関係条例等の整備などについて取り組みを進めているところでございます」と答弁。
 さらに、来年度のシステム改修経費の見込みについては、「住民基本台帳システムや市税システムなどにつきましては、今年度から改修に着手しており、来年度は、これらに加え、福祉総合情報システムや年金システム等の改修を行う予定でございまして、改修経費につきましては、現在精査を行っているところでございます」と答えました。
 また、個人情報保護及びセキュリティについては、「マイナンバー関係法令の規定により、マイナンバーを含む個人情報を保有し利用する際には、その利用方法や情報の漏えい等のリスクを事前に分析し、リスクを軽減するための適切な措置を講ずることを公表する特定個人情報保護評価の実施が義務づけられております。また、大量の個人情報を扱う事務につきましては、その評価の中で、市民意見の聴取や第三者機関による点検を受けることとされております。本市におきましても、これまでの川崎市個人情報保護条例や川崎市情報セキュリティ基準等に基づく取り組みとあわせ、この評価を着実に実施することで、マイナンバーを含む個人情報の保護とセキュリティの確保に努めてまいります」と約束しました。
 市民への広報については、「国においては、今月中に広報ポスターを作成し、全国の市町村に配布するとともに、来月には国民向けのコールセンターが開設される予定となっております。本市におきましても、これに合わせて区役所等に広報ポスターを掲示するとともに、制度の概要や今後の主なスケジュール、個人情報保護対策等についてホームページや広報紙において発信するなど、マイナンバー制度の周知に努めてまいります」と答弁しました。


 高齢者へ積極的な就労支援を!

 国立社会保障・人口問題研究所の推計では、65歳以上の割合を示す高齢化率は、2010年の23%が2035年には33%となり、3人に1人が高齢者となる時代が来ると示されています。
 一方、内閣府の高齢者の地域社会への参加に関する意識調査では、何歳まで働きたいかとの問いに、71%が70歳及び70歳以降までと答えており、元気で社会参加意欲の高い高齢者の多いことがわかります。
 福岡県は、70歳現役社会の実現を目指すとして、70歳現役応援センターという総合的な支援拠点で就労支援を行うとともに、経済団体や労働者団体、高齢者団体、NPO団体、行政など17団体から成る70歳現役社会推進協議会をつくり、官民一体となって高齢者の就労支援に取り組む推進体制を構築していることから、本市も同様の推進体制を構築して、高齢者の就労支援に積極的に取り組むべきと主張しました。
 福岡県の特徴の一つは、ふくおか子育てマイスター認定制度という、高齢者が豊かな経験を生かし、地域の子育て現場で活躍できる仕組みをつくっていることです。
 平成24年、平成25年の2年間で619人の子育てマイスターを認定し、高齢者の就労先の柱の一つになっていることから、本市でも同様の取り組みを検討すべき、と質問しました。
 また、70歳現役応援センターが中心となって、シルバー人材センターや高齢者能力活用センター、子育てマイスター窓口などとの連携が強力に行われていることも福岡県の特徴の一つであることから、本市でも、シルバー人材センターやキャリアサポートかわさき、だいJOBセンターなどの連携が強力に行えるように、70歳現役応援センターのような総合的な支援拠点をつくるべき、と訴えました。

 答弁として、健康福祉局長は、「初めに、高齢者の就労支援の推進体制につきましては、神奈川県において、シニア世代の方々のための就業支援施設としてシニア・ジョブスタイル・かながわを設置しており、総合相談などの事業を実施しております。また、本市におきましては、だいJOBセンターにおきまして「60歳からの‘しごと’応援事業」を展開しており、5月から4カ月の間に58名の登録がありましたが、そのうち27名の就労が決定しております。超高齢社会を迎える中、県と市の適切な役割分担のもとで、高齢者の働く環境を整え、働くことを通じて高齢者の社会参加及び生きがいの充実を図ることはとても重要であると考えているところでございます」と答弁しました。
 また、高齢者による子育て支援につきましては、「川崎市シルバー人材センターにおいて、保育園への送迎や留守宅での見守りなど、子育て支援サービスとして平成25年度に54件を受注したところでございまして、引き続き経験ある高齢者の活用が図られるよう働きかけてまいります」と答えました。
 さらに、シルバー人材センター、キャリアサポートかわさき、だいJOBセンター等の関係機関相互の連携につきましては、「それぞれの窓口におきまして必要に応じて他機関を紹介するとともに、情報交換なども行っているところでございます。今後につきましても、他都市の取り組み状況を踏まえながら、関係機関と連携し、川崎らしい高齢者就労支援の取り組みを進めてまいりたいと存じます」と取り組みを約束しました。


 高齢者が被害にあわないよう詐欺への対策を!

 振り込め詐欺や金融商品取引名目の詐欺など、特殊詐欺についての高齢者の被害総額は、本年上半期で268億円となり、過去最悪を記録した昨年の同時期を27%上回ったとの発表がありました。
 手口がますます巧妙化し、多くの高齢者が巻き込まれているようなので、悪質訪問販売への対策なども含め、高齢者に接する機会の多いケアマネジャーや介護ヘルパーなどにしっかりとした研修・情報提供を行うなど、高齢者を守るための対策をとるべき、と主張し、本市の現状と今後の取り組みについて質問しました。
 また、平成24年8月には消費者教育推進法が成立し、第20条には、都道府県及び市町村の努力義務として、消費者教育を推進するため、消費者、消費者団体、事業者、事業者団体、教育関係者、消費生活センターその他の当該都道府県または市町村の関係機関等をもって構成する消費者教育推進地域協議会を組織するよう努めなければならないと規定されました。
 これを受け、東京都などの15都府県や神戸市は消費者教育推進地域協議会を設置しましたが、本市は未設置であることから、本市も設置をして、高齢者を守ることにもつながる消費者教育を推進するべき、と訴え、市の考えを聞きました。

 答弁として、経済労働局長は、「初めに、高齢者の消費者被害等について、消費者行政センターにおいて昨年度受け付けた消費生活相談は8,407件でございました。そのうち、身に覚えのない健康食品が送りつけられ、代引きのため代金を支払ってしまったなど不当な請求に関する相談は1,282件で、うち高齢者による相談は315件と約25%を占めており、特に、昼間1人で家にいることが多い高齢者やひとり暮らしの高齢者を狙った悪質な被害が増加しております。本市といたしましても、高齢者の被害を未然に防ぐため、落語で楽しく学べる出前講座や講演会の実施など本人への消費者教育のほか、各区の地域包括支援センター連絡会議などにおいて、日ごろから高齢者の方と接する機会の多いケアマネジャーや介護ヘルパーなどの福祉関係者を対象に、年10回程度研修会や警察との情報交換会を実施し、迅速な情報提供を行うなど、関係機関との連携体制の強化を図っているところでございます。また、今年度は、さらに民生委員や自治会関係者などの高齢者の見守りの担い手となる方やその御家族などを対象とした消費者教育の実施や、見守りのためのハンドブックの作成などによる消費者教育の推進を図ってまいりたいと考えております」と答えました。
 また、消費者教育推進地域協議会については、「年々被害が増加している高齢者を守ることにつながる消費者教育の推進については、非常に重要であると考えております。本市では、条例に基づき、昭和50年から学識経験者、消費者代表、事業者代表を委員とした市長の附属機関である消費者行政推進委員会を設置し、消費者行政推進計画の策定など消費者行政全般についての重要事項の調査、審議をいただき、その重要事項の一つである高齢者等の被害防止に向けた消費者教育についても、その推進を図っているところでございます。今後も、高齢者や高齢者を見守る地域の関係者を対象とした消費者教育の推進につきまして、消費者行政推進委員会における御意見や地域包括支援センターなどの福祉関係者や警察などの現場の声をもとに、高齢者被害の防止に向けた取り組みをより一層推進してまいります」と答弁しました。

wrote by m-hamada : 2014年09月10日 21:31