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2010年10月26日火曜日

ノンフィクション作家・保阪正康さんの言葉

 「私はこれまで昭和史を調べる中で、のべ4千人の方に話をうかがってきました。そこで気づいたことがあるんです。1割の人は本当のことをいう、1割の人は最初からうそをいう、8割の人は記憶を美化し、操作する。この8割というのは実は我々なんです。悪人じゃないけどうそをついている。本を徹底的に読んでいないと、そうした証言の真偽は判断できないと思う。」
 10月26日付の朝日新聞夕刊の「追憶の風景」に掲載されていました保阪正康さんの言葉です。体験に基づく深い人間観察の言葉だと思われ、感動を覚えました。
 「30代の初め、改めて大学院で勉強したいと思ったのですが、結婚して3人の子がいる状態では無理だったので、3年ほど国会図書館に通って昭和史の本を読みつくしました」ということも紹介されており、大変な努力の姿が想像され、心を動かされました。
 記憶を美化し操作するという8割の心理がわかるほどの読書の姿勢について、しっかり学び、見習っていきたいものと思いました。

wrote by m-hamada : 2010年10月26日 20:24