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2011年02月20日日曜日

日本弁護士連合会会長・宇都宮健児さんの言葉

 「人間というのは、他人のためにがんばれる生き物だ」
 2月20日付け産経新聞の「転機。話そう、話しましょう」に登場された日弁連会長・宇都宮健児さんの言葉です。
 東大法学部在学中に司法試験に一発合格したものの、人付き合いが苦手なことから、中小企業の経営者と懇意になり顧問弁護料を確保するという“営業”ができず、普通なら3~5年のイソ弁(居候の雇われ弁護士)時代を経て独立するものが、12年ものイソ弁時代を送ったと語られています。
 転機は、弁護士会から紹介された多重債務者の案件とのこと。
 出資法の上限金利が年100%を超え、業者の登録制や取り立て規制もなかった昭和50年代初頭、債務整理の方法が確立しておらず、依頼者から費用を受け取れる保証もないため引き受ける弁護士は珍しく、自殺や夜逃げ寸前まで追いつめられた人からの依頼が増加。宇都宮さんは休む間もなく奮闘され、仕事はきつかったようですが、依頼者から「死なずにすんだ」「家族そろって静かな正月を迎えられた」と感謝の言葉が寄せられたことから、「自分が盾になることで命が救える」とわかり、活力が湧いたと。
 自分を売り込む“営業”にはがんばれなかったが、貧しい人や弱い人のためには力が湧いてがんばれた、と述懐されていますが、そのことも心に刻まれ、いい話だなあと思いました。
 ご健勝でのご活躍を心からお祈りしたいと思います。

wrote by m-hamada : 2011年02月20日 23:50