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2012年02月29日水曜日

国立医薬品食品衛生研究所の移転に関する代表質疑

 2月29日、国立医薬品食品衛生研究所の移転に関する各会派の代表質疑が行われ、公明党川崎市議会議員団を代表して、質問に立ちました。
 まず、日本においては、国外で既に承認されている薬が国内では承認されていないという新薬承認の遅延、いわゆるドラッグラグということと、国外では当たり前に使われている先進医療機器が国内では承認のおくれなどで使えないという、いわゆるデバイスラグということが、医療現場での大きな問題と言われていることから、京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区において、このドラッグラグとデバイスラグの解消が政策課題の柱に位置づけられていることへの期待を表明しました。
 そういう中で、今回、国立医薬品食品衛生研究所が世田谷区上用賀から川崎区に移転してくるので、早期の完成を望みつつ、建物の完成時期および規模について質問。
 また、移転予定地を計画地に決めるに至った理由についても伺い、独立行政法人理化学研究所の横浜研究所およびスーパーコンピューター京(けい)が設置されている神戸研究所の場合には地方自治体が無償で用地を提供しているのに対して、今回は国が用地の約37%、1ヘクタールを取得する方向となった経緯について問いました。
 平成20年に起きた中国製冷凍ギョーザ中毒事件では、最終的に地方自治体の衛生研究所ではなく、この国立医薬品食品衛生研究所でメタミドホスなどの混入物を特定した事例をあげ、どのような特徴のある研究所なのか、また、革新的な医薬品、医療機器の新たな評価、解析手法の確立と国際共同治験の迅速化に資するとしいることから、国際共同治験とアジア治験の迅速化にどのようにつながるのかについても答えを求めました。
 また、国立医薬品食品衛生研究所の立地により国際戦略総合特区の取り組みが加速することが期待されることを述べ、経済波及効果について質問。
 さらに、交通アクセスについて、産業道路駅とKING SKYFRONTとの距離は、川崎駅と市立川崎病院との距離とほぼ同様の約1キロメートルであることから、本市第2号のワンコインバスの路線とすることを検討すべきと問いました。
 また、改めて未来を見据えた交通アクセス改善への取り組みについても尋ね、今後、地元へ丁寧に説明していくことが必要と思われるので、どのように対応していくのかも聞きました。

 答弁として、総合企画局長から、国立医薬品食品衛生研究所の建物の完成時期については、「今後、具体化に向け、国との協議を進めてまいりますが、早期の研究所完成に向け、できる限り協力してまいりたいと考えております」と示されました。
 さらに、施設の規模については、「これまでの移転計画では延べ床面積約3万3,000平方メートルとなっています」、「移転の予定地については、航空法との関係で土地利用の自由度が高く、殿町3丁目地区土地区画整理事業において現在土地の処分が可能な用地を予定地としたものです」と答弁。
 また、国の用地取得の経緯については、「このたび国際戦略総合特区の指定を受け、本市はこの間、同研究所がKING SKYFRONTに進出することが本特区構想の推進を加速するものであることについて、国に対して強く主張してまいりました。その結果、国においても理解が得られ、一定の調整が整いまして、内閣官房の平成23年度の総合特区推進調整費18億円を活用し、厚生労働省が用地の一部を取得し、残りの用地を本市が取得する予定としたものでございます」との答え。
 同研究所の特徴などについては、「同研究所は日本で最初の試験研究機関であり、高度な分析機器を備え、医薬品、食品、生活に関連する化学物質などについて、品質、安全性、有効性の評価のための試験研究、いわゆるレギュラトリーサイエンスなどを実施し、その研究成果を国の施策に反映させ、国民の健康と生活環境を維持向上させることに役立てるとともに、全国の地方衛生研究所や検疫所に検査法や技術の指導などを行っております。同研究所がレギュラトリーサイエンスを担う国立の研究機関として、再生医療など先端医療分野における医薬品、医療機器の開発と早期実用化に向けて、国際水準の安全性、有効性の評価のための研究などを行い、その成果を生かすことによって、アジアを初めとする国際共同治験の迅速化に貢献するものと期待しているところでございます」と答弁しました。
 また、経済波及効果については、「本研究所が立地することにより、特区構想で掲げたレギュラトリーサイエンスの成果を生かした事業の推進等によって見込まれる約702億円の経済波及効果の加速が期待されるところでございます。さらに、建設投資効果として約150億円が見込まれるところでございます」と明らかに。
 交通アクセスについては、「産業道路駅前から殿町停留所まで新たなバス路線を昨年10月に開設したところでございます。ワンコインバスの導入につきましては、KING SKYFRONT地区における施設整備の進捗状況や運行状況などを踏まえ、検証してまいりたい」と答えました。
 また、将来的な交通アクセスについては、「周辺における交通基盤の整備状況などを勘案し、交通機能の向上を図ってまいりたい」と答弁。
 さらに、地元への説明については、「これまでもKING SKYFRONTにおける中核施設の開設などに当たり、地元の町内会や企業の皆様に丁寧に説明を行い、御理解をいただいてきたところでございます。このたびの同研究所の移転に当たりましても、周辺の住民の皆様等に同研究所の役割や業務内容などについて丁寧に説明を行ってまいりたい」と答えました。
  

 市内経済の牽引力として期待されるキングスカイフロント(殿町3丁目地区)については、これからも成長が図られるようにしっかりと議会質問を続けていきたい。
 

wrote by m-hamada : 2012年02月29日 19:51