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2012年07月28日土曜日

総合地球環境学研究所の佐藤洋一郎副所長の言葉

 「日本には『売り切れ御免』という文化があって、老舗の菓子店などでは売れ残りを防ぐため一定量しか作らなかった。消費者も売り切れたら『仕方ない』と納得していた。ところが今はいつでも買えるのが当然で、生産者は常に余剰を抱えている。売れなければ捨てる。売ろうとすればラベルを張り替えるなど偽装に走るしかない」。

 京都市の洛北にある総合地球環境学研究所で副所長を務めていらっしゃる佐藤洋一郎さんの言葉で、7月28日付けの日本経済新聞・夕刊に、「食と環境 佐藤洋一郎さんに聞く」とのタイトルで掲載されていたインタビュー記事の中に出ていました。
 最後の「偽装」というところは、センセーショナルに取り上げられた事件を思い起こさせますが、発生頻度は極めて低いものなので、ちょっとニヒルすぎるのではと感じますものの、全体として時代の一面を鋭く切り取っている大事な指摘だと思いました。

 ちょうど何日か前に、コンビニエンスストアの店長さんから、「コンビニは常に欲しいものが置いてあることを要求されている。お客さんがコンビニに来て、買いたいものが置いてなかったということが3回続くと、もうそのコンビニに来てくれなくなってしまう。だからロス(売れ残り)がないというのは決していい状態ではない」との話を聞いていたもので、余計に胸に響いたものと思います。

 日本に伝統的にある『売り切れ御免』の文化を再認識し、『売り切れ御免』を素直に受けとめられる雰囲気づくりに努めていきたいと思いました。
 
 

wrote by m-hamada : 2012年07月28日 19:13