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2012年10月26日金曜日

作家・柳田邦男さんの言葉(悲しみこそ・・・)

 「悲しみこそ真の人生の始まり」。

 NHK記者時代に『マッハの恐怖』で大宅壮一ノンフィクション賞、『犠牲 わが息子・脳死の11日』などで菊池寛賞を受賞され、この7月まで政府の福島原発事故調査・検証委員会の委員長代理を務められていた柳田邦男さん(1936年栃木県生まれ、76歳)の言葉です。最近の講演でよく話される言葉として、10月15日から26日まで連載された朝日新聞・夕刊の「人生の贈りもの」で紹介されていました。

 柳田邦男さんは、この言葉に関連して以下のようにも述べられています。
 「僕が少年のころに父や兄が亡くなり家庭が非常に貧しくなった。ある意味で悲しい時代ですが、そのおかげで、大切なことに気づいた。親のない子の気持ち、旅立つ者が残すべきもの……。
 人間って、喪失体験をしたり、厳しい局面にぶつかったりすることによって、心が耕され、成熟していく。同時進行では気づかなくても、時間をおくと見えてくる。悲しい体験のポジティブな側面に日頃からもっと気づくことが生き直す力につながるんじゃないかと思って、最近よく話しています」と。

 大変な苦労を乗り越えながら人生を歩んでこられたのだろうと想像され、その人間の強さに感動しました。じっくりと味わいたい言葉として心に残りました。
  
 

wrote by m-hamada : 2012年10月26日 19:46