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2016年04月09日土曜日

生き心地の良い町を調査した岡壇(おか・まゆみ)さんの言葉

 「集団には、放っておけば均質化する性質がある。メンバーは変な奴だと思われて不利益を被りたくないから同質化し、リーダーも効率を追求するには均質的な組織の方が有利と考えがちです。ただ、均質な組織は硬直化して環境の変化に適応できない危険がある。企業の発展にもイノベーションを生む異能の人材が必要。多様性に富んだ組織の健全性は、海部町(かいふちょう、徳島県の南東に位置した町)が証明しているのではないでしょうか」
 
 和歌山県立医科大学保健看護学部講師(慶応大学大学院健康マネジメント研究科博士課程修了)の岡壇(おか・まゆみ)さんの言葉で、島の自治体を除けば自殺率が日本一低い「徳島県旧海部町(現海陽町)」を調査・分析された上で述べられたものです。4月9日付の日経新聞・夕刊で紹介されていました。
 
 岡さんは、全国3,318市区町村の30年間の自殺率をもとに、年齢分布の違いによる影響を除いた指標で比較し、海部町の自殺率が8番目に低く、上位10自治体のうち海部町以外は島嶼(とうしょ)部で人口規模が極めて小さいことから、海部町が「日本で最も自殺率の低い町」と考えられるとしています。
 また、自殺率が低い町は「生き心地の良い町」でもあるとされ、調査から見えてきた自殺の危険を抑える要素として、「①多様性を重視する②他者を人物本位で評価する③主体的に社会と関わる④他者に助けを求めることへの抵抗が小さい⑤緩やかにつながる、の5つ」を挙げられています。
 
 多様性が地域・集団の健全性に通じるとされたことに感動しました。
 

wrote by m-hamada : 2016年04月09日 21:52